日本代表スタッフコラム「風をつかもう」第11便 (最終回)

2011/12/29 | <<一覧に戻る

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4年前に韓国で行われたアジア選手権に、本当に悔しい思いをしたところから出発しました。あの大会は私自身は仕事の都合で帯同することがかなわなかったのですが、結果を聞くためにかけた電話の、その向こうから伝わってくる悔しさに、胸がはりさけそうでした。


現地にいた選手たちはそれ以上で、燃え尽きたように、しばらくサッカーを休みたい…とこぼしていました。しかし、その気持ちから再び立ち上がり、動き始めました。


選手たちは


吐くまで必死に走り
くいしばって身体を動かし
言葉を交わし続け
時にはぶつかりながら



チームを作り上げてきました。


その過程で、前回のアジア選手権で世界選手権の切符を勝ち取った歓喜があり、世界選手権の壁の厚さを感じ、アジパラ競技大会の悔しさを味わい、この大会に向かって走ってきました。



私自身は、この競技と関わって10年近くになります。今回はいままで味わったことのないほどのいろいろな気持ちを感じました。


予選リーグ・対韓国での、同点ゴール、逆転ゴールの瞬間に身体中を駆け巡った歓喜。予選リーグ・対イランでの、悔しさ…やるせなさ…


そこから這い上がっての3位決定戦・対韓国での、選手たちが躍動するサッカーの楽しさ。


本当にいろいろな気持ちを感じさせてくれました。選手たちに本当に感謝しています。


そして、元気フィールドに駆け付け、声をからすまで応援をしてくださった皆さん、Ustを通して念を送り続けてくださった皆さん、心の中で代表へのコールをしてくださった皆さん…それらは、選手たちの得点を導き、背中を押し続けてくれました。本当に本当にありがとうございました。


選手たちは一人一人いろいろな気持ちで大会を終えたと思います。次の4年に向けて、充電し、さらにパワーアップし、また全身でサッカーの楽しさを味わいに帰ってきてくれると思います。


だって、次の合宿での再会を約束しましたから。今後とも、応援・ご協力、どうぞよろしくお願いいたします。


それでは、一人一人へ。


一番難しい場面での起用にどんと構えるその背中が大きい、葭原選手。


DFとして選手全員の声をつなぎ、ここ一番ではゴール前まで駆け上がっていった、田中選手。


ケガとも戦いながらピッチを走り続け、シュートを打ち続け、逆転ゴールの歓喜を導いた、黒田選手。


熱いスピリットで相手選手からボールを奪い、身体を倒されそうになりながらもシュートをたたきこんだ、落合選手。


ボールを奪って相手ゴールに迫り、またディフェンスの一番手として豊富な運動量で敵をかき回した佐々木選手。


地元東北への愛をもち、新しいシステムの中で一番難しい役割をきちんと魅せてくれた、加藤選手。


キャプテンとしてチームを大きく包み、闘争心を爆発させ優しさだけでない姿をみせてくれた、三原選手。


FWとしての新しいポジションを果敢にこなし、相手FWのボールを何度もうばった、山口選手。


ひたむきな努力で選手のだれからも信頼されるスローを放ち、時にはムードメーカーとして盛り上げる、佐藤選手。


鋭い指示で選手たちを的確にガイドし、瞬発力のあるセービングで日本のゴールを守った、安部選手。


自分のサッカーの知識を総動員して、選手たちをサポートしてくれた、阿部くん。


選手の生活全般に渡って、選手を支えてくださった、福永コーチ。


ケアだけでなく、選手たちに本当のアスリートとしてのあり方を教えてくださった、木下ドクター。


風祭監督の右腕、桝岡コーチ。


選手を全身全霊で導いた、魚住コーチ。


サッカーとしてのこの競技の面白さを追求し続ける、風祭監督。


そして、日本代表を力強く応援しつづけてくださった サポーターの皆さん




本当に本当にありがとうございました。選手達の次の戦いは始まっています。これからも、力強い応援、どうぞよろしくお願いします。


*********


さて、今回の「仙台発 風をつかもう」も最終便となりました。ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

試合の情報については、USTやSOCIOのページ、そのほかのホームページ・ブログ等でご覧いただいているので、選手達の試合前後の様子・ミーティング等を中心にレポートしました。読みにくい部分などあったかと思います。すいませんでした。


最後に「風をつかもう」についてです。

「風をつかもう」は、2002年に高山・神戸で行われた「アジアフレンドシップカップ」という大会の公式ソングのタイトルです。その大会で私が会場で出す速報係を担当し、そのタイトルに迷った末に(勝手に…)いただいた名前です。それ以来、日本代表に帯同するたびに使わせていただき、海外で見ることのできない選手達の試合の結果・様子をつたない文章で伝えさせていただいてきました。


「風をつかもう」はサッカーをやる喜びにあふれた歌です。私の大好きな曲です。選手達がそんな気持ちでサッカーをやってくれますように…そんな気持ちをこめて書いています。


ということで…最後までありがとうございました



日本代表 強化部 スタッフ 黒田

この記事の元の記事はこちら>


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